【問11】甲土地の所有者が甲土地につき、建物の所有を目的として賃貸する場合(以下「ケース①」という。)と、建物の所有を目的とせずに資材置場として賃貸する場合(以下「ケース②」という。)に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 期間を定めない契約を締結した後に賃貸人が甲土地を使用する事情が生じた場合において、ケース①では賃貸人が解約の申入れをしても合意がなければ契約は終了しないのに対し、ケース②では賃貸人が解約の申入れをすれば契約は申入れの日から1年を経過することによって終了する。
2 ケース①では、賃借人は、甲土地の上に登記されている建物を所有している場合には、甲土地が第三者に売却されても賃借人であることを当該第三者に対抗できるが、ケース②では、甲土地が第三者に売却された場合に賃借人であることを当該第三者に対抗する方法はない。
4 賃貸借の期間を定めた場合であって当事者が期間内に解約する権利を留保していないとき、ケース①では賃借人側は期間内であっても1年前に予告することによって中途解約することができるのに対し、ケース②では賃貸人も賃借人もいつでも一方的に中途解約することができる。
1 賃貸借の存続期間を40年と定めた場合には、ケース①では書面で契約を締結しなければ期間が30年となってしまうのに対し、ケース②では口頭による合意であっても期間は40年となる。
【問14】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2 専有部分であっても、規約で定めることにより、敷地利用権と分離して処分することができる。
3 構造上区分所有者全員の共用に供されるべき建物の部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の専有部分とすることができる。
4 区分所有者の共有に属さない敷地であっても、規約で定めることにより、区分所有者の団体の管理の対象とすることができる。
1 共用部分であっても、規約で定めることにより、特定の区分所有者の所有とすることができる。
【問 2】Aは不動産の売却を妻の父であるBに委任し、売却に関する代理権をBに付与した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bは、やむを得ない事由があるときは、Aの許諾を得なくとも、復代理人を選任することができる。
2 Bが、Bの友人Cを復代理人として選任することにつき、Aの許諾を得たときは、Bはその選任に関し過失があったとしても、Aに対し責任を負わない。
3 Bが、Aの許諾及び指名に基づき、Dを復代理人として選任したときは、Bは、Dの不誠実さを見抜けなかったことに過失があった場合、Aに対し責任を負う。
4 Bが復代理人Eを適法に選任したときは、EはAに対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負うため、Bの代理権は消滅する。
【問 15】不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
4 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記原因及びその日付が同一である場合には、登記の目的が異なるときであっても、一つの申請情報で申請することができる。
3 表題部に所有者として記録されている者の相続人は、所有権の保存の登記を申請することができる。
2 信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。
【問 5】 AがBに対して1,000万円の代金債権を有しており、Aがこの代金債権をCに譲渡した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 AがBに対する代金債権をDに対しても譲渡し、Cに対する債権譲渡もDに対する債権譲渡も確定日付のある証書でBに通知した場合には、CとDの優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知がBに到着した日時の先後で決まる。
1 AB間の代金債権には譲渡禁止特約があり、Cがその特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合には、Cはこの代金債権を取得することはできない。
3 BがAに対して期限が到来した1,000万円の貸金債権を有していても、AがBに対して確定日付のある譲渡通知をした場合には、BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができない。
2 AがBに対して債権譲渡の通知をすれば、その譲渡通知が確定日付によるものでなくても、CはBに対して自らに弁済するように主張することができる。
【問5】 物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。 なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象となる目的物について、その払渡し又は引渡しの前に他の債権者よりも先に差し押さえるものとする。
1 不動産の売買により生じた債権を有する者は先取特権を有し、当該不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
3 抵当権者は、抵当権を設定している建物が火災により焼失した場合、当該建物に火災保険が付されていれば、火災保険金に物上代位することができる。
2 抵当権者は、抵当権を設定している不動産が賃借されている場合には、賃料に物上代位することができる。
4 不動産に留置権を有する者は、目的物が金銭債権に転じた場合には、当該金銭に物上代位することができる。
【問 8】 債務不履行に基づく損害賠償請求権に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
2 AB間の利息付金銭消費貸借契約において、利率に関する定めがない場合、借主Bが債務不履行に陥ったことによりAがBに対して請求することができる遅延損害金は、年5分の利率により算出する。
3 AB間でB所有の甲不動産の売買契約を締結した後、Bが甲不動産をCに二重譲渡してCが登記を具備した場合、AはBに対して債務不履行に基づく損害賠償請求をすることができる。
4 AB間の金銭消費貸借契約において、借主Bは当該契約に基づく金銭の返済をCからBに支払われる売掛代金で予定していたが、その入金がなかった(Bの責めに帰すべき事由はない。)ため、返済期間が経過してしまった場合、Bは債務不履行に陥らず、Aに対して遅延損害金の支払義務を負わない。
1 AがBと契約を締結する前に、信義則上の説明義務に違反して契約締結の判断に重要な影響を与える情報をBに提供しなかった場合、Bが契約を締結したことにより被った損害につき、Aは、不法行為による賠償責任を負うことはあっても、債務不履行による賠償責任を負うことはない。
【問14】不動産の登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
4 仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるときは、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。
2 新たに生じた土地又は表題登記がない土地の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から1月以内に、表題登記を申請しなければならない。
3 信託の登記の申請は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記の申請と同時にしなければならない。
1 表示に関する登記を申請する場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記原因を証する情報を提供しなければならない。
【問8】Aは、B所有の建物を賃借し、毎月末日までに翌月分の賃料50万円を支払う約定をした。またAは敷金300万円をBに預託し、敷金は賃貸借終了後明渡し完了後にBがAに支払うと約定された。AのBに対するこの賃料債務に関する相殺についての次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Aは、Bが支払不能に陥った場合は、特段の合意がなくても、Bに対する敷金返還請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
2 AがBに対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有した場合、Aは、このBに対する損害賠償請求権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
4 AがBに対してこの賃貸借契約締結以前から貸付金債権を有しており、その弁済期が平成16年8月31日に到来する場合、同年8月20日にBのAに対するこの賃料債権に対する差押があったとしても、Aは、同年8月31日に、このBに対する貸付金債権を自働債権として、弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することができる。
3 AがBに対して商品の売買代金請求権を有しており、それが平成16年9月1日をもって時効により消滅した場合、Aは、同年9月2日に、このBに対する代金請求権を自働債権として、同年8月31日に弁済期が到来した賃料債務と対当額で相殺することはできない。
【問 6】 民法第379条は、「抵当不動産の第三取得者は、第383条の定めるところにより、抵当権消滅請求をすることができる。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 抵当権の被担保債権につき保証人となっている者は、抵当不動産を買い受けて第三取得者になれば、抵当権消滅請求をすることができる。
4 抵当不動産の第三取得者から抵当権消滅請求にかかる民法第383条所定の書面の送付を受けた抵当権者が、同書面の送付を受けた後2か月以内に、承諾できない旨を確定日付のある書面にて第三取得者に通知すれば、同請求に基づ<抵当権消滅の効果は生じない。
2 抵当不動産の第三取得者は、当該抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生した後でも、売却の許可の決定が確定するまでは、抵当権消滅請求をすることができる。
3 抵当不動産の第三取得者が抵当権消滅請求をするときは、登記をした各債権者に民法第383条所定の書面を送付すれば足り、その送付書面につき事前に裁判所の許可を受ける必要はない。