【問3】Aは、自己所有の甲地をBに売却し引き渡したが、Bはまだ所有権移転登記を行っていない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Cが、AB間の売買の事実を知らずにAから甲地を買い受け、所有権移転登記を得た場合、CはBに対して甲地の所有権を主張することができる。
4 AとFが、通謀して甲地をAからFに仮装譲渡し、所有権移転登記を得た場合、Bは登記がなくとも、Fに対して甲地の所有権を主張することができる。
2 Dが、Bを欺き著しく高く売りつける目的で、Bが所有権移転登記を行っていないことに乗じて、Aから甲地を買い受け所有権移転登記を得た場合、DはBに対して甲地の所有権を主張することができない。
3 Eが、甲地に抵当権を設定して登記を得た場合であっても、その後Bが所有権移転登記を得てしまえば、以後、EはBに対して甲地に抵当権を設定したことを主張することができない。
【問 7】 物上代位に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。なお、物上代位を行う担保権者は、物上代位の対象とする目的物について、その払渡し又は引渡しの前に差し押さえるものとする。
4 Aの抵当権設定登記があるB所有の建物について、CがBと賃貸借契約を締結した上でDに転貸していた場合、Aは、CのDに対する転貸賃料債権に当然に物上代位することはできない。
1 Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Bの一般債権者が差押えをした場合には、Aは当該賃料債権に物上代位することができない。
2 Aの抵当権設定登記があるB所有の建物の賃料債権について、Aが当該建物に抵当権を実行していても、当該抵当権が消滅するまでは、Aは当該賃料債権に物上代位することができる。
3 Aの抵当権設定登記があるB所有の建物が火災によって焼失してしまった場合、Aは、当該建物に掛けられた火災保険契約に基づく損害保険金請求権に物上代位することができる。
【問 1】 民法94条第2項は、相手方と通じてした虚偽の意思表示の無効は「善意の第三者に対抗することはできない」と定めている。次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、同項の「第三者」に該当しないものはどれか。
2 Aが所有する甲土地につき、AとBの間に債権債務関係がないにかかわらず、両者が通謀の上でBのために抵当権を設定し、その旨の登記がなされた場合に、Bに対する貸付債権を担保するためにBから転抵当権の設定を受けた債権者C
4 AとBが通謀の上で、Aを貸主、Bを借主とする金銭消費貸借契約を仮装した場合に、当該仮装債権をAから譲り受けたC
1 Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、B名義の甲土地を差し押さえたBの債権者C
3 Aが所有する甲土地につき、AとBが通謀の上で売買契約を仮装し、AからBに所有権移転登記がなされた場合に、Bが甲土地の所有権を有しているものと信じてBに対して金銭を貸し付けたC
【問 6】AがBに対して建物の建築工事を代金3,000万円で注文し、Bがこれを完成させた。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 請負契約の目的物たる建物に瑕疵があり、瑕疵の修補に要する費用が契約代金を超える場合には、Aは原則として請負契約を解除することができる。
4 請負契約の目的物たる建物の瑕疵について、Bが瑕疵担保責任を負わない旨の特約をした場合には、Aは当該建物の瑕疵についてBの責任を一切追及することができなくなる。
1 請負契約の目的物たる建物に瑕疵がある場合、瑕疵の修補が可能であれば、AはBに対して損害賠償請求を行う前に、瑕疵の修補を請求しなければならない。
2 請負契約の目的物たる建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、Aは当該建物の建替えに要する費用相当額の損害賠償を請求することができる。
【問 16】建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、 この期間は規約で伸縮することができる。
4 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならないが、集会の議事録の保管場所については掲示を要しない。
3 集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名しなければならないが、押印は要しない。
2 集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。
【問10】 Aは、自己所有の建物について、災害により居住建物を失った友人Bと、適当な家屋が見つかるまでの一時的住居とするとの約定のもとに、使用貸借契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 適当な家屋が現実に見つかる以前であっても、適当な家屋を見つけるのに必要と思われる客観的な時間を経過した場合は、AはBに対し、この建物の返還を請求することはできる。
1 Bが死亡した場合、使用貸借契約は当然に終了する。
3 Bは、Aの承諾がなければ、この建物の一部を、第三者に転貸して使用収益させることはできない。
2 Aがこの建物をCに売却し、その旨の所有権移転登記を行った場合でも、Aによる売却の前にBがこの建物の引渡しを受けていたときは、Bは使用貸借契約をCに対抗できる。
【問7】次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 土地の所有者は、隣地から雨水が自然に流れてくることを阻止するような工作物を設置することはできない。
4 土地の所有者は、隣地から木の根が境界線を越えて伸びてきたときは、自らこれを切断できる。
3 土地の所有者は、隣地から木の枝が境界線を越えて伸びてきたときは、自らこれを切断できる。
2 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用をもって、境界を表示すべき物を設置することができる。
【問 2】 AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述うち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。
1 Aが死亡した後であっても、BがAの死亡の事実を知らず、かつ、知らないことにつき過失がない場合には、BはAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。
3 18歳であるBがAの代理人として甲土地をCに売却した後で、Bが18歳であることをCが知った場合には、CはBが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことができる。
2 Bが死亡しても、Bの相続人はAの代理人として有効に甲土地を有効に売却することができる。
4 Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。
【問 7】 民法第423条第1項は、「債権者は、自己の債権を保全するため、債務者に属する権利を行使することができる。ただし、債務者の一身に専属する権利は、この限りでない。」と定めている。これに関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
2 未登記建物の買主は、売主に対する建物の移転登記請求権を保全するため、売主に代位して、当該建物の所有権保存登記手続を行うことができる場合がある。
3)建物の賃借人は、賃貸人(建物所有者 に対し使用収益を求める債権を保全するため、賃貸人に代位して、当該建物の不法占拠者に対し当該建物を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
4 抵当権者は、抵当不動産の所有者に対し当該不動産を適切に維持又は保存することを求める請求権を保全するため、その所有者の妨害排除請求権を代位行使して、当該不動産の不法占拠者に対しその不動産を直接自己に明け渡すよう請求できる場合がある。
1 債務者が既に自らの権利を行使しているときでも、債権者は、自己の債権を保全するため、民法第423条に基づく債権者代位権を行使することができる場合がある。
【問15】不動産の仮登記に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
2 仮登記の申請は、申請書に仮処分命令の正本を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。
1 仮登記の申請は、申請書に仮登記義務者の承諾書を添付して、仮登記権利者が単独ですることができる。
3 仮登記の抹消の申請は、申請書にその仮登記の登記済証を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。
4 仮登記の抹消の申請は、申請書に仮登記名義人の承諾書を添付して、登記上の利害関係人が単独ですることができる。