【問 2】 所有権がAからBに移転している旨が登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
2 DはBとの間で売買契約を締結したが、AB間の所有権移転登記はAとBが通じてした仮装の売買契約に基づくものであった場合、DがAB間の売買契約が仮装であることを知らず、知らないことに無過失であっても、Dが所有権移転登記を備えていなければ、Aは所有者であることをDに対して主張できる。
1 CはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが、甲土地の真の所有者はAであって、Bが各種の書類を偽造して自らに登記を移していた場合、Aは所有者であることをCに対して主張できる。
4 FはBとの間で売買契約を締結して所有権移転登記をしたが、その後AはBの強迫を理由にAB間の売買契約を取り消した場合、FがBによる強迫を知っていたときに限り、Aは所有者であることをFに対して主張できる。
3 EはBとの間で売買契約を締結したが、BE間の売買契約締結の前にAがBの債務不履行を理由にAB間の売買契約を解除していた場合、Aが解除した旨の登記をしたか否かにかかわらず、Aは所有者であることをEに対して主張できる。
【問8】不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
4 不法行為の加害者が海外に在住している間は、民法第724条後段の20年の時効期間は進行しない。
1 不法行為による損害賠償請求権の期間の制限を定める民法第724条における、被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいう。
2 不法行為による損害賠償債務の不履行に基づく遅延損害金債権は、当該債権が発生した時から10年間行使しないことにより、時効によって消滅する。
3 不法占拠により日々発生する損害については、加害行為が終わった時から一括して消滅時効が進行し、日々発生する損害を知った時から別個に消滅時効が進行することはない。
【問 12】 Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。
3 Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後でも、Bは遺留分に基づき減殺を請求することができる。
2 Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。
4 Bは、遺留分に基づき減殺を請求できる限度において、減殺の請求に代えて、その目的の価額に相当する金銭による弁償を請求することができる。
【問 6】 A所有の甲土地についての所有権移転登記と権利の主張に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 Aが甲土地をFとGとに対して二重に譲渡してFが所有権移転登記を備えた場合に、AG間の売買契約の方がAF間の売買契約よりも先になされたことをGが立証できれば、Gは、登記がなくても、Fに対して自らが所有者であることを主張することができる。
2 甲土地の賃借人であるDが、甲土地上に登記ある建物を有する場合に、Aから甲土地を購入したEは、所有権移転登記を備えていないときであっても、Dに対して、自らが賃貸人であることを主張することができる。
1 甲土地につき、時効により所有権を取得したBは、時効完成前にAから甲土地を購入して所有権移転登記を備えたCに対して、時効による所有権の取得を主張することができない。
4 Aが甲土地をHと I とに対して二重に譲渡した場合において、Hが所有権移転登記を備えない間に I が甲土地を善意のJに譲渡してJが所有権移転登記を備えたときは、I がいわゆる背信的悪意者であっても、Hは、Jに対して自らが所有者であることを主張することができない。
【問11】借主Aは、B所有の建物について貸主Bとの間で賃貸借契約を締結し、敷金として賃料2ヵ月分に相当する金額をBに対して支払ったが、当該敷金についてBによる賃料債権への充当はされていない。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち正しいものはどれか。
3 賃貸借契約期間中にAがDに対して賃借権を譲渡した場合で、Bがこの賃借権譲渡を承諾したとき、敷金に関する権利義務は当然にDに承継される。
4 賃貸借契約が終了した後、Aが建物を明け渡す前に、Bが建物をEに譲渡した場合で、BE間でEに敷金を承継させる旨を合意したとき、敷金に関する権利義務は当然にEに承継される。
2 賃貸借契約期間中にBが建物をCに譲渡した場合で、Cが賃貸人の地位を承継したとき、敷金に関する権利義務は当然にCに承継される。
1 賃貸借契約が終了した場合、建物明渡しと敷金返還とは同時履行の関係に立たず、Aの建物明渡しはBから敷金の返還された後に行えばよい。
【問12】借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。
2 定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。
3 定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
1 定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
【問10】宅地建物取引業者ではないAB間の売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
4 Bが敷地賃借権付建物をAから購入したところ、敷地の欠陥により擁壁に亀裂が生じて建物に危険が生じた場合、Bは敷地の欠陥を知らなかったとしても、Aに対し建物売主の瑕疵担保責任を追及することはできない。
2 Aは、C所有の土地を自ら取得するとしてBに売却したが、Aの責に帰すべき事由によってCから所有権を取得できず、Bに所有権を移転できない場合、他人物売買であることを知っていたBはAに対して損害賠償を請求できない。
3 Bが購入した土地の一部を第三者Dが所有していた場合、Bがそのことを知っていたとしても、BはAに対して代金減額請求をすることができる。
1 Bは住宅建設用に土地を購入したが、都市計画法上の制約により当該土地に住宅を建築することができない場合には、そのことを知っていたBは、Aに対し土地売主の瑕疵担保責任を追及することができない。
【問 15】不動産登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
3 表題部に所有者として記録されている者の相続人は、所有権の保存の登記を申請することができる。
2 信託の登記の申請は、当該信託による権利の移転又は保存若しくは設定の登記の申請と同時にしなければならない。
4 同一の登記所の管轄区域内にある二以上の不動産について申請する登記原因及びその日付が同一である場合には、登記の目的が異なるときであっても、一つの申請情報で申請することができる。
1 権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
【問 6】 AからBとCとが負担部分2分の1として連帯して1,000万円を借り入れる場合と、DからEが1,000万円を借り入れ、Fがその借入金返済債務についてEと連帯して保証する場合とに関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
2 Aが、Bに対して履行を請求した効果はCに及び、Cに対して履行を請求した効果はBに及ぶ。Dが、Eに対して履行を請求した効果はFに及び、Fに対して履行を請求した効果はEに及ぶ。
1 Aが、Bに対して債務を免除した場合にはCが、Cに対して債務を免除した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Dが、Eに対して債務を免除した場合にはFが、Fに対して債務を免除した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
4 AB間の契約が無効であった場合にはCが、AC間の契約が無効であった場合にはBが、それぞれ1,000万円の債務を負う。DE間の契約が無効であった場合はFが、DF間の契約が無効であった場合はEが、それぞれ1,000万円の債務を負う。
3 Bについて時効が完成した場合にはCが、Cについて時効が完成した場合にはBが、それぞれ500万円分の債務を免れる。Eについて時効が完成した場合にはFが、Fについて時効が完成した場合にはEが、それぞれ全額の債務を免れる。
【問 11】宅地建物取引業者でも事業者でもないAB間の不動産売買契約における売主Aの責任に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
3 Bが不動産に瑕疵があることを契約時に知っていた場合や、Bの過失により不動産に瑕疵があることに気付かず引渡しを受けてから瑕疵があることを知った場合には、Aは瑕疵担保責任を負わない。
2 Bが不動産に隠れた瑕疵があることを発見しても、当該瑕疵が売買契約をした目的を達成することができないとまではいえないような瑕疵である場合には、Aは瑕疵担保責任を負わない。
4 売買契約に、瑕疵担保責任を追及できる期間について特約を設けていない場合、Bが瑕疵担保責任を追及するときは、隠れた瑕疵があることを知ってから1年以内に行わなければならない。
1 売買契約に、隠れた瑕疵についてのAの瑕疵担保責任を全部免責する旨の特約が規定されていても、Aが知りながらBに告げなかった瑕疵については、Aは瑕疵担保責任を負わなければならない。