権利変動

Question

【問 12】 A所有の居住用建物(床面積50平方メートル)につき、Bが賃料月額10万円、期間を2年として、賃貸借契約(借地借家法第38条に規定する定期建物賃貸借、同法第39条に規定する取壊し予定の建物の賃貸借及び同法第40条に規定する一時使用目的の建物の賃貸借を除く。以下この間において「本件普通建物賃貸借契約」という。)を締結する場合と、同法第38条の定期建物賃貸借契約(以下この問において「本件定期建物賃貸借契約」という。)を締結する場合とにおける次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、誤っているものはどれか。

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3 本件普通建物賃貸借契約では、更新がない旨の特約を記載した書面を契約に先立って賃借人に交付しても当該特約は無効であるのに対し、本件定期建物賃貸借契約では、更新がない旨の特約を記載した書面を契約に先立って賃借人に交付さえしておけば当該特約は有効となる。

解説:×・・・当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。(借地借家法4条より)
この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。(借地借家法9条)
ここまでは正しい。
1 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合(定期建物賃貸借)においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
3 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。(借地借家法38条1項2項3項より)
書面の交付だけでは、有効とはならない。

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2 本件普通建物賃貸借契約でも、本件定期建物賃貸借契約でも、賃料の改定についての特約が定められていない場合であって経済事情の変動により賃料が不相当になったときには、当事者は将来に向かって賃料の増減を請求することができる。

解説:○・・・建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。 (借地借家法32条1項より)
第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。(借地借家法38条7項より)

1 本件普通建物賃貸借契約でも、本件定期建物賃貸借契約でも、賃借人が造作買取請求権を行使できない旨の特約は、有効である。

解説:○・・・建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。 (借地借家法33条1項より)
第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。(借地借家法37条より)
本肢の特約は、この37条の規定でないので、有効である。

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4 本件普通建物賃貸借契約では、中途解約できる旨の留保がなければ賃借人は2年間は当該建物を借りる義務があるのに対し、本件定期建物賃貸借契約では、一定の要件を満たすのであれば、中途解約できる旨の留保がなくても賃借人は期間の途中で解約を申し入れることができる。

解説:○・・・第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。(借地借家法38条5項より)

選択が必要
Question

【問 16】建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

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2 集会においては、法で集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除き、規約で別段の定めをすれば、あらかじめ通知した事項以外についても決議することができる。

解説:○・・・集会においては、第三十五条<招集の通知)の規定によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができる。
2  前項の規定は、この法律に集会の決議につき特別の定数が定められている事項を除いて、規約で別段の定めをすることを妨げない。
3  前二項の規定は、前条の規定による集会には適用しない。
(建物の区分所有等に関する法律37条)より

選択が必要
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3 集会の議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の2人がこれに署名しなければならないが、押印は要しない。

解説:×・・・議事録が書面で作成されているときは、議長及び集会に出席した区分所有者の二人がこれに署名押印しなければならない。 (建物の区分所有等に関する法律42条3項)より、押印も必要です。

1 集会の招集の通知は、会日より少なくとも2週間前に発しなければならないが、 この期間は規約で伸縮することができる。

解説:×・・・集会の招集の通知は、会日より少なくとも一週間前に、会議の目的たる事項を示して、各区分所有者に発しなければならない。ただし、この期間は、規約で伸縮することができる。(建物の区分所有等に関する法律35条1項)より、「2週間前」でなくて、「1週間前」です。

4 規約の保管場所は、建物内の見やすい場所に掲示しなければならないが、集会の議事録の保管場所については掲示を要しない。

解説:×・・・議事録の保管場所について、建物内の見やすい場所に掲示しなければならない。(建物の区分所有等に関する法律42条5項)より

Question

【問 13】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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1 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することができる。

解説:×・・・区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。(建物の区分所有等に関する法律:区分所有法44条より)議決権を行使することはできない。

選択が必要

2 区分所有者の請求によって管理者が集会を招集した際、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者が集会の議長となる。

解説:○・・・集会においては、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者又は集会を招集した区分所有者の一人が議長となる。(区分所有法41条より)

4 一部共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのではなく、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。

解説:○・・・共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。(区分所有法11条1項より)

3 管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。

解説:○・・・管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。(区分所有法43条より)

Question

【問 12】 Aには、相続人となる子BとCがいる。Aは、Cに老後の面倒をみてもらっているので、「甲土地を含む全資産をCに相続させる」旨の有効な遺言をした。この場合の遺留分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

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4 Bは、遺留分に基づき減殺を請求できる限度において、減殺の請求に代えて、その目的の価額に相当する金銭による弁償を請求することができる。

解説:×・・・受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。(民法第1041条第1項より)

選択済み

1 Bの遺留分を侵害するAの遺言は、その限度で当然に無効である。

解説:×・・・遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。(民法第1031条より)つまり、遺言自体は、有効である。

2 Bが、Aの死亡の前に、A及びCに対して直接、書面で遺留分を放棄する意思表示をしたときは、その意思表示は有効である。

解説:×・・・相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。(民法第1043条第1項より)

3 Aが死亡し、その遺言に基づき甲土地につきAからCに対する所有権移転登記がなされた後でも、Bは遺留分に基づき減殺を請求することができる。

解説:○・・・減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。 (民法第1042条より)

選択が必要
Question

【問 5】 AがBに対して1,000万円の代金債権を有しており、Aがこの代金債権をCに譲渡した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

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2 AがBに対して債権譲渡の通知をすれば、その譲渡通知が確定日付によるものでなくても、CはBに対して自らに弁済するように主張することができる。

解説:○・・・指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。 (民法467条より)

4 AがBに対する代金債権をDに対しても譲渡し、Cに対する債権譲渡もDに対する債権譲渡も確定日付のある証書でBに通知した場合には、CとDの優劣は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知がBに到着した日時の先後で決まる。

解説:○・・・債権譲渡は、確定日付の先後ではなく、確定日付のある通知がBに到着した日時の先後で決まります。

1 AB間の代金債権には譲渡禁止特約があり、Cがその特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合には、Cはこの代金債権を取得することはできない。

解説:○・・・債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。(民法466条より) 本肢の場合は、その特約の存在を知らないことにつき重大な過失がある場合は、Cに対して、譲渡禁止特約を主張できる。

選択済み

3 BがAに対して期限が到来した1,000万円の貸金債権を有していても、AがBに対して確定日付のある譲渡通知をした場合には、BはCに譲渡された代金債権の請求に対して貸金債権による相殺を主張することができない。

解説:×・・・債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。(民法468条より)

選択が必要
Question

【問5】債権譲渡に関する次の1から4までの記述のうち、下記判決文によれば、正しいものはどれか。
(判決文)
民法は、原則として債権の譲渡性を認め(民法第466条第1項)、当事者が反対の意思を表示した場合にはこれを認めない旨定めている(同条第2項本文)ところ、債権の譲渡性を否定する意思を表示した譲渡禁止の特約は、債務者の利益を保護するために付されるものと解される。そうすると、譲渡禁止の特約に反して債権を譲渡した債権者は、同特約の存在を理由に譲渡の無効を主張する独自の利益を有しないのであって、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるなどの特段の事情がない限り、その無効を主張することは許されないと解するのが相当である。

Your answer選択フィードバック正解

2 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。

誤り。判決文は、「債務者」に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかな場合」としているのであり、「債権者」ではない。

4 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権譲渡禁止の特約は債務者の利益を保護するために付されるものであるので、債権者はいかなるときも当該譲渡が無効であることを主張することは許されない。

誤り。判決文は、債権者がいかなるときも無効の主張が許されないとはしていない。

選択済み

1 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債権者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであるときに限り、債務者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。

誤り。判決文は、債権者に無効を主張する意思があることが明らかである場合に限り債務者が無効を主張することが許されるとはしていない。

3 債権譲渡禁止特約が付されている債権が債権者から第三者に対して譲渡された場合、債務者に譲渡の無効を主張する意思があることが明らかであれば、譲渡した債権者が当該譲渡は無効である旨の主張をすることは許される。

正しく正解。判決文に合致している。

選択が必要
Question

【問 16】 不動産の登記の申請に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

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2 仮登記の登記義務者の承諾がある場合であっても、仮登記権利者は単独で当該仮登記の申請をすることができない。

解説:×・・・権利に関する登記の申請は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。 (不動産登記法第60条より)
仮登記は、仮登記の登記義務者の承諾があるとき及び次条に規定する仮登記を命ずる処分があるときは、第六十条の規定にかかわらず、当該仮登記の登記権利者が単独で申請することができる。 (不動産登記法第107条第1項より)

選択が必要

4 二筆の土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人が同じであっても、地目が相互に異なる土地の合筆の登記は、申請することができない。

解説:○・・・選択肢3の解説の不動産登記法第41条2号より

1 所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。

解説:○・・・所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合には、当該第三者の承諾があるときに限り、申請することができる。(不動産登記法第109条第1項より)

選択済み

3 二筆の土地の表題部所有者又は所有権の登記名義人が同じであっても、持分が相互に異なる土地の合筆の登記は、申請することができない。

解説:○・・・第四十一条  次に掲げる合筆の登記は、することができない。
一  相互に接続していない土地の合筆の登記
二  地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記
三  表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記
四  表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする土地の合筆の登記
五  所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記
六  所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって、合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令で定めるものがある土地を除く。)の合筆の登記(不動産登記法第41条4号より)

Question

【問 4】 AがBから甲土地を購入したところ、甲土地の所有者を名のるCがAに対して連絡してきた。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

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1 CもBから甲土地を購入しており、その売買契約書の日付とBA間の売買契約書の日付が同じである場合、登記がなくても、契約締結の時刻が早い方が所有権を主張することができる。

解説:×・・・不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。(民法177条より)登記する必要があります。

選択済み

3 Cが時効により甲土地の所有権を所得した旨主張している場合、取得時効の進行中にBA間で売買契約及び所有権移転登記がなされ、その後に時効が完成しているときは、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。

解説:○・・・これはよく出る問題です。取得時効の進行中に第3者の売買契約がなくてもその後、時効が完成した場合は、登記なくても時効による取得を主張できます。

選択が必要

4 Cは債権者の追及を逃れるために売買契約の実態はないのに登記だけBに移し、Bがそれに乗じてAとの間で売買契約を締結した場合には、CB間の売買契約が存在しない以上、Aは所有権を主張することはできない。

解説:×・・・相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。
(民法94条1項2項より)Aが善意である場合には、Aは所有権を主張することができます。

2 甲土地はCからB、BからAと売却されており、CB間の売買契約がBの強迫により締結されたことを理由として取り消された場合には、BA間の売買契約の時期にかかわらず、Cは登記がなくてもAに対して所有権を主張することができる。

解説:×・・・詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。(民法96条より)この場合は、CとAの二重譲渡となり、Cは登記がなかれば、所有権を主張することができません。(判例より)

Question

【問 4】A、B及びCが、持分を各3分の1として甲土地を共有している場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

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1 甲土地全体がDによって不法に占有されている場合、Aは単独でDに対して、甲土地の明渡しを請求できる。

解説:○・・・共有物の管理に関する事項は、前条(共有物の変更)の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 (民法252条)より、保存行為は、単独ですることができます。

選択済み

2 甲土地全体がEによって不法に占有されている場合、Aは単独でEに対して、Eの不法占有によってA、B及びCに生じた損害全額の賠償を請求できる。

解説:×・・・単独で、賠償を請求できますが、その人の持分のみだけです。

選択が必要

3 共有物たる甲土地の分割について共有者間に協議が調わず、裁判所に分割請求がなされた場合、裁判所は、特段の事情があれば、甲土地全体をAの所有とし、AからB及びCに対し持分の価格を賠償させる方法により分割することができる。

解説:○・・・共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる。(民法258条1項)
また、持分の価格を賠償の方法で、共有物を分轄することも可能です。

4 Aが死亡し、相続人の不存在が確定した場合、Aの持分は、民法第958条の3の特別縁故者に対する財産分与の対象となるが、当該財産分与がなされない場合はB及びCに帰属する。

解説:○・・・相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる(民法958条の3)
また、当該財産分与がなされない場合は、B及びCに帰属する。

Question

【問5】 占有に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

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2 乙土地の所有者の相続人Bが、乙土地上の建物に居住しているCに対して乙土地の明渡しを求めた場合、Cは、占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定を根拠として、明渡しを拒否することができる。

× 誤り

占有者が占有物について行使する権利は適法であるとの推定規定(民法188条)を根拠として、明渡しを拒否することは許されない(最判昭35.03.01)。

本権(所有権、地上権、質権等の権利)を行使していない者(占有者)には、この推定規定は適用されない。

1 甲建物の所有者Aが、甲建物の隣家に居住し、甲建物の裏口を常に監視して第三者の侵入を制止していたとしても、甲建物に錠をかけてその鍵を所持しない限り、Aが甲建物を占有しているとはいえない。

× 誤り

家屋の所有者が、その家屋の隣家に居住し、常に出入口を監視して容易に他人の侵入を制止できる状況にあるときは、所有者はその家屋を所持するものといえる。(最判昭27.02.19

4 占有回収の訴えは、占有を侵奪した者及びその特定承継人に対して当然に提起することができる。

× 誤り
占有回収の訴えは、原則として、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない(民法200条2項本文)。例外は、その承継人が侵奪の事実を知っていたときである(同項但書)。
「当然に提起することができる」は誤り。

選択済み

3 丙土地の占有を代理しているDは、丙土地の占有が第三者に妨害された場合には、第三者に対して占有保持の訴えを提起することができる。

〇 正しい
占有を代理している者も、占有保持の訴えを提起することができる(民法197条)。

選択が必要