【問4】 Aが有する権利の消滅時効に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 AのCに対する債権が、CのAに対する債権と相殺できる状態であったにもかかわらず、Aが相殺することなく放置していたためにAのCに対する債権が時効により消滅した場合、Aは相殺することはできない。
2 AのBに対する債権を被担保債権として、AがB所有の土地に抵当権を有している場合、被担保債権が時効により消滅するか否かにかかわらず、設定時から10年が経過すれば、抵当権はBに対しては時効により消滅する。
1 Aが有する所有権は、取得のときから20年間行使しなかった場合、時効により消滅する。
4 AのDに対する債権について、Dが消滅時効の完成後にAに対して債務を承認した場合には、Dが時効完成の事実を知らなかったとしても、Dは完成した消滅時効を援用することはできない。
【問 13】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
4 一部共用部分は、区分所有者全員の共有に属するのではなく、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。
2 区分所有者の請求によって管理者が集会を招集した際、規約に別段の定めがある場合及び別段の決議をした場合を除いて、管理者が集会の議長となる。
3 管理者は、集会において、毎年一回一定の時期に、その事務に関する報告をしなければならない。
1 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して議決権を行使することができる。
【問6】Aは、Bに建物の建築を注文し、完成して引渡しを受けた建物をCに対して売却した。本件建物に瑕疵があった場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
1 Cは、売買契約の締結の当時、本件建物に瑕疵があることを知っていた場合であっても、瑕疵の存在を知ってから1年以内であれば、Aに対して売買契約に基づく瑕疵担保責任を追及することができる。
2 Bが建物としての基本的な安全性が欠けることがないように配慮すべき義務を怠ったために本件建物に基本的な安全性を損なう瑕疵がある場合には、当該瑕疵によって損害を被ったCは、特段の事情がない限り、Bに対して不法行為責任に基づく損害賠償を請求できる。
4 本件建物に存在している瑕疵のために請負契約を締結した目的を達成することができない場合、AはBとの契約を一方的に解除することができる。
3 CがBに対して本件建物の瑕疵に関して不法行為責任に基づく損害賠償を請求する場合、当該請求ができる期間は、Cが瑕疵の存在に気付いてから1年以内である。
【問 11】 現行の借地借家法の施行後に設定された借地権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合で、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
4 借地権の当初の存続期間が満了し借地契約を更新する場合において、当事者間でその期間を更新の日から10年と定めたときは、その定めは効力を生じず、更新後の存続期間は更新の日から20年となる。
2 借地権の当初の存続期間が満了する場合において、借地権者が借地契約の更新を請求したときに、建物がある場合は、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときでも、その異議の理由にかかわりなく、従前の借地契約と同一の条件で借地契約を更新したものとみなされる。
3 借地権の当初の存続期間中に借地上の建物の滅失があった場合、借地権者は地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
【問 16】不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、誤っているものはどれか。
4 遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記は、遺言執行者が指定されているか否かにかかわらず、登記権利者及び登記義務者が共同してしなければならない。
1 表題部所有者であるAから土地を買い受けたBは、Aと共同してBを登記名義人とする所有権の保存の登記の申請をすることができる。
2 共有物分割禁止の定めに係る権利の変更の登記の申請は、当該権利の共有者であるすべての登記名義人が共同してしなければならない。
3 権利が法人の解散によって消滅する旨の登記がされている場合において、当該権利がその法人の解散によって消滅したときは、登記権利者は、単独で当該権利に係る権利に関する登記の抹消を申請することができる。
【問 15】 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
3 区分所有者は、規約に別段の定めがない限り集会の決議によって、管理者を選任し、又は解任することができる。
4 規約は、管理者が保管しなければならない。ただし、管理者がないときは、建物を使用している区分所有者又はその代理人で理事会又は集会の決議で定めるものが保管しなければならない。
2 集会は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数の同意があるときは、招集の手続きを経ないで開くことができる。
1 管理者は、少なくとも毎年2回集会を招集しなければならない。また、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、集会の招集を請求することができる。
【問12】借地借家法第38条の定期建物賃貸借(以下この問において「定期建物賃貸借」という。)に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
3 定期建物賃貸借契約を締結するには、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを、当該契約書と同じ書面内に記載して説明すれば足りる。
4 定期建物賃貸借契約を締結しようとする場合、賃貸人が、当該契約に係る賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了によって終了することを説明しなかったときは、契約の更新がない旨の定めは無効となる。
2 定期建物賃貸借契約を締結するときは、期間を1年未満としても、期間の定めがない建物の賃貸借契約とはみなされない。
1 定期建物賃貸借契約を締結するには、公正証書による等書面によらなければならない。
【問 1】 行為能力に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
3 精神上の障害により事理を弁識する能力が不十分である者につき、4親等内の親族から補助開始の審判の請求があった場合、家庭裁判所はその事実が認められるときは、本人の同意がないときであっても同審判をすることができる。
4 被保佐人が、保佐人の同意又はこれに代わる家庭裁判所の許可を得ないでした土地の売却は、被保佐人が行為能力者であることを相手方に信じさせるため詐術を用いたときであっても、取り消すことができる。
2 未成年者は、婚姻をしているときであっても、その法定代理人の同意を得ずに行った法律行為は、取り消すことができる。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りではない。
1 成年被後見人が行った法律行為は、事理を弁識する能力がある状態で行われたものであっても、取り消すことができる。ただし、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、この限りではない。
【問 11】 Aは、A所有の甲建物につき、Bとの間で期間を10年とする借地借家法第38条第1項の定期建物賃貸借契約を締結し、Bは甲建物をさらにCに賃貸(転貸)した。この場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
4 AB間の賃貸借契約に賃料の改定について特約がある場合には、経済事情の変動によってBのAに対する賃料が不相当となっても、BはAに対して借地借家法第32条第1項に基づく賃料の減額請求をすることはできない。
3 AB間の賃貸借契約が期間満了で終了する場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸しているときには、BのCに対する解約の申入れについて正当な事由がない限り、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない。
1 BがAに無断で甲建物をCに転貸した場合には、転貸の事情のいかんにかかわらず、AはAB間の賃貸借契約を解除することができる。
2 Bの債務不履行を理由にAが賃貸借契約を解除したために当該賃貸借契約が終了した場合であっても、BがAの承諾を得て甲建物をCに転貸していたときには、AはCに対して甲建物の明渡しを請求することができない。
【問 3】Aが所有者として登記されている甲土地の売買契約に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
3 Aと売買契約を締結して所有権を取得したEは、所有権の移転登記を備えていない場合であっても、正当な権原なく甲土地を占有しているFに対し、所有権を主張して甲土地の明渡しを請求することができる。
1 Aと売買契約を締結したBが、平穏かつ公然と甲土地の占有を始め、善意無過失であれば、甲土地がAの土地ではなく第三者の土地であったとしても、Bは即時に所有権を取得することができる。
2 Aと売買契約を締結したCが、登記を信頼して売買契約を行った場合、甲土地がAの土地ではなく第三者Dの土地であったとしても、Dの過失の有無にかかわらず、Cは所有権を取得することができる。
4 Aを所有者とする甲土地につき、AがGとの間で10月1日に、Hとの間で10月10日に、それぞれ売買契約を締結した場合、G、H共に登記を備えていないときには、先に売買契約を締結したGがHに対して所有権を主張することができる。